HackCamp は、私たちの運営するイベントが誰にでもオープンであり、多様な人達が気持よく参加して楽しめるべきだと考えています。このため、私たちは性別・性的指向・身体障害・民族・宗教・職業・好みの OSやプログラミング言語、ハッカー/プランナー/デザイナーの違いにかかわらず、誰に対してもフレンドリーで安全で快適な環境を提供できるよう尽力します。
しかしながら、イベントは運営側だけで作るものではありません。参加者と共に作り上げるものです。参加者同士が尊敬しあい、イベントの結果に向けて共創をすることが、イベントの満足度を高いものとします。この行動規範では、参加者の行動に求めることと、受け入れがたい行為が招く結果について要点をまとめています。
すべてのスポンサー、審査員、メンター、一般来場者、運営者その他の参加者の皆さんが、誰にとっても安全で快い体験ができるイベントを実現するために協力してくれることを期待します。
本ポリシーに違反をする方は、HackCamp の開催するイベントへの参加をお断りさせていただくことがあります。 たとえスポンサーやクライアントであっても、私たちのこのガイドラインに賛同いただけない場合は、運営そのものをお断りさせていただく場合もあります。
この行動規範のもうひとつのゴールは、参加者に私たちの目指す世界観を表明することによってハッカーを増やすということです。
私たちHackCampは、「◯◯をハックする」機会を提供することで、既存の組織の枠にとらわれないハッカーを増やすことを目指しています。 私たちにとって「ハックする」とは、工夫を凝らすことで目的を達成することであり、誰もやっていない道なき道を切り開くことでもあり、従来の仕組みを良く観察した上で抜け道を作ることでもあります。 技術的に優れていることだけが重要なのではなく、目的を達成する方法を考え、従来の慣習や組織の制約にとらわれること無くアウトプットを生み出し続ける人が、私たちの考えるハッカーです。技術者かどうかは関係がありません。*1
このゴールを達成するために、私たちは、私たちのイベントを通して、目的の達成や課題の解決の為に、与えられた制約や材料の中から多様なメンバーで創造的な解決策を生み出す為の場を提供し、ただアイデアを出すだけではなく実現に繋がるプロトタイプやプロダクトを早めに作り試す場を提供します。
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品位のない、差別的・迷惑な行動や発言は慎みましょう。
参加者には、様々な人がいます。差別的な発言や、迷惑な行動はイベント全体の満足度を下げ、アウトプットの質の低下に繋がります。本音で意見を戦わせることも重要ですが、相手への尊敬の念を持ち、配慮ある行動を行いましょう。 -
感謝の気持ちを表しましょう。
イベント参加者は皆、貴方同様に貴重な時間を使って参加しています。何かをやってもらったら、感謝の気持ちを正直に表現しましょう。自分が見ていないところでの他の人の努力や気遣いには気づきにくく、自分の作業に集中するほど、自分がやっていること以外見えなくなるものです。「ありがとう」という感謝の言葉を表明することで、チームの一体感は高まり、アウトプットの品質は上がります。 -
自発的なコミットメントを発揮しましょう。
イベントはひとりひとりの行動でできています。人からの指示を待つよりも、自らできることを考えより良い場作ることを目指しましょう。それが結果的に、貴方自身の満足度の向上に繋がります。 -
誰でも、自由に発言をすることができる空気を作りましょう。
初めてイベントに参加する人や、ITに関する知識が無い人、対象の課題領域への知識があまり無い人でも、発言機会は平等です。多様な参加者から複数の視点からの意見が出ることは、アイデアの質を向上させます。相手の発言を否定せず、良いところを見つけ発展させていく、そういった行動を心がけましょう。 -
自分でできることを考え、手を動かしましょう。
自分の知識やスキルをプロジェクトにどう活かせるのかを、自ら考え手を動かしましょう。特にハッカソンの場では、口を出すだけではなく、共に手を動かすことが重要です。貴方にやれることはたくさんあります。例えばプログラミングが出来なくても、コンテンツ作り、競合調査、フェイスブックなどでのアンケートの実施、プレゼン資料作りなど、できることはあるはずです。自ら考えて手を動かしましょう。チームメンバーが作業している間あからさまに遊んでいたり、寝たり、別の事をしたりといった行動はメンバーのモチベーションを著しく下げ、関係性を悪くしてしまいます。 -
周辺や、他の参加者に気を配りましょう。危険な状況や誰かが困っている事に気づいたら、運営者に知らせましょう。
チームの内部だけでなく、イベント全体でも、誰かが困っている事に気づいたら運営者に知らせてください。運営者側も出来る限り場に目を行き届かせたいと考えておりますが、イベントの進行中全ての参加者の事を把握することは難しいです。運営者に知らせていただくことで、早めに対処を行うことができます。
「受け入れがたい行為」には以下が含まれます。
HackCampの主催および運営するイベントにおける参加者による威嚇的・迷惑・虐待的・差別的・軽蔑的・屈辱的な行為。
「迷惑行為」には以下が含まれます。
性別・性的指向・人種・宗教・障害に関する攻撃的な口頭のコメント、プレゼンスライドを含む公的空間においての裸体や性的画像の不適切な使用、嫌がらせとなる写真撮影や録音、プレゼンその他のイベントに対する継続的な妨害、不適切な身体的接触、歓迎されていない性的な注目。
受け入れがたい行為は、参加者、運営者、運営スタッフ、スポンサー、他の一般来場者、関係者、いずれによるものであれ、許容されません。
受け入れがたい行為をやめるように言われた方は、直ちに応じることが求められます。
もし参加者が受け入れがたい行為を行った場合は、その人に警告や返金なしにイベントから退場してもらうことも含め、イベント運営者は自身が適切だと考える対応を取ります。
もし自身が受け入れがたい行為にさらされたり、誰かがそのような行為を受けていたり、その他気になることがあったりした場合は、できるだけ早くイベント運営者にお知らせください。
運営者は、参加者が会場の警備員や地域の警察に連絡するのを手伝ったり、付き添いをしたり、その他の方法で受け入れがたい行為にさらされている方に力を貸すことにより、イベント期間中安心して過ごしていただけるように応対可能です。司会や運営者以外でも、近くにいる運営スタッフ(多くの場合首からスタッフ用の名札を下げています)へ声をかけてください。
イベント参加者すべて (参加者、スポンサー、主催企業、運営者、運営スタッフ、スピーカー、メンター、審査員、その他のゲスト) が、全イベント会場およびイベントに関連する行事などにおいてこの行動規範に従うことを期待します。
以下のメールアドレスから、このガイドラインについてイベントの開催前に、運営者へ連絡することができます。
株式会社HackCamp
事務局 info@hackcamp.jp
作成日:2016/03/10
最終更新日:2016/03/03 (Version 1.2)
脚注
1: 山形浩生氏による詳しい解説が http://cruel.org/freeware/hack.html にあります。
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