主に現場での Wi-Fi 運用のノウハウについて記す。
大規模施設では Wi-Fi 通信に問題の生じる可能性が高い。以前参加した幕張メッセの会場では、本番当日の朝から急に Wi-Fi が使えなくなるということがあった。前日搬入及びリハでは問題無かったため、イベント中のみ使用される何らかの設備と干渉を起こしていたものと推測される。これを原因特定し対処することはほぼ不可能である。
今までの経験では、小中規模の部屋 → 屋外 → 大規模施設、の順で条件が厳しくなる。ライブハウスや会議室でトラブることはほぼ無いが、それよりも大きな会場に様々な機材が持ち込まれるようなシチュエーションになると、かなり警戒する必要が現れてくる。
最近の macOS では Wi-Fi アドホックモードを使ったネットワークの構築オプションが非標準機能として隠されてしまっている。これを出現させるには、ネットワーク設定の Advanced にある "Show legacy networks and options" を有効化する必要がある。
アドホックモードの接続状況は若干曖昧な部分があり、本番直前に再接続を行うのが望ましい。その際、履歴に残った古い接続が問題を生じることがあるので、再接続の度にネットワーク名を変更していくのが無難だろう。
Cisco WAP150 を持ち込んで DHCP 無し(自動アドレス割り当て)の通信環境を予定していたが、リハで試運転してみたところ、定期的に接続が切れるという現象が発生した。具体的には NDI のフレーム更新が一時的に途絶えて、数十秒後に復活する、という現象が繰り返し発生した。
そのため本番ではアドホックモードによる P2P ネットワークを使用することになった。アドホック通信も完璧な状態ではなかった(フレームが定期的に落ちているように見えた)が、長時間の通信切断が発生するようなことは無く、無事に運用することができた。
本番後に再度 WAP150 による接続試験を行なったところ、今度は問題無く通信することができた。結局、リハでは何が問題だったのか、原因は分からずじまいとなった。
余計な機能を持たない単純な Wi-Fi アクセスポイントとして購入した。
余計な機能が無いという安心感はあるものの、流石に DHCP も無いのは使い難いかもしれない。各機器の IP アドレス自動割り当てを待たなければいけないのが面倒。それさえ我慢できれば、あとの使用感は悪くない。
アクセスポイント自身のアドレスを Bonjour でアドバタイズしているので、その機能を使って web セットアップ画面を開くのが良い。ただ困ったことに、Bonjour からウェブページを開く機能は Safari 11 で廃止されてしまった。下記のようなアプリを使ってアドレスを調べる必要がある。
https://apps.apple.com/us/app/discovery-dns-sd-browser/id1381004916?mt=12
ファクトリリセットを行いたい場合は、電源を入れてからリセットボタンを長押しする(一旦ライトが消えてから再点灯するので、それまで押しっぱなしにする)。ファクトリリセット後は CiscoSB-Setup
という SSID でセットアップ画面に繋げられる。デフォルトパスワードは cisco123
となっている。
SSID は WhiteBox-2.4GHz
/WhiteBox-5GHz
とした。それ以外の設定はほぼデフォルトのまま。